雑記

さいたま市へ通勤・通学するには

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図-1

埼京線、京浜東北線、東武東上線・伊勢崎線沿いには多くの埼玉都民が暮らしている。

全体の就業(通勤)者・通学者に対し、その地域にどれだけ通勤・通学率しているかという、通勤・通学率(以下、通勤率に統一)という概念がある。

代表的なものに、東京都特別(23)区部への通勤率があり、つまるところ、この数値が高いほど、住宅開発が盛んであり、都心へのアクセスが良好と言える。

都内へ通うようになった際、居住地の選択に一役買ってくれる指数でもある。

図-1は東京都特別区部への通勤率(平成22年度 国勢調査より。以下同)を示したものである。

30%以上:赤、20~30%:オレンジ、10~20%:黄、5~10%:黄緑、5%未満:無色と色分けした。

以前の記事と併せてお読みいただきたいが、やはり南部・南西部に通勤率の高い地域が集中している。交通の便が良いからこそ、都内へ通うものが集まり、人口が増加してゆくのだ。

個人的には、通勤率が10%を下回ると、都心へ出るのは少し億劫かなと感じる。

県庁所在地のさいたま市は27%であったが、浦和区・南区・中央区では30%を超えた一方で、岩槻区は13.5%と地域により差が顕著であった。また、さいたま市は特別区ほどではないにせよ、企業の集積地であり、都心への流出が抑えられた側面もある。

さいたま新都心と言われるように、さいたま市自身も東京のベッドタウンでありながら、他の地域にベッドタウンを持つのだ。

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図-2

某5歳児が暮らしている春日部市。さいたま市とは東武野田線で繋がっている。

さいたま市への通勤率を示したのが図-2。色の区分けは図-1と同じである。

さいたま市の北方に通勤率の高い地域が集中した。県央地域、利根地域の南西部である。鉄道だと、大宮駅まで直通する高崎線や宇都宮線、東武野田線沿いである。

図-1と比較すると、この地域は東京のベッドタウンであると同時に、さいたま市のベッドタウンとしての性格も強い。

一方で、さいたま市と隣接しており、東京のベッドタウンとして栄えている県南部はさいたま市への通勤率は高くはなかった。

おそらく、原因は地価であろう。さいたま市への距離が同じくらいであれば、比較的地価の安い県央・利根地域に住居を構えるのは当然の流れであろう。

気になったのは、同じくさいたま市と隣接している川越市がさいたま市への通勤率が4.0%に留まったことだ。鉄道も川越線が大宮駅に繋がっている。

これに関しては、小江戸の別称の通り、川越市は古くから城下町として商業や工業が栄え、市内に事業所が多いのではないかと考えられる。現に、川越市の昼夜人口比率はさいたま市の92.7%に対し、97.1%と首都圏の都市ではかなり高い数値を記録している。

なお、近隣の鶴ヶ島市・坂戸市では、東京都特別区部の他に、川越市への通勤率も10%を超えている。さいたま市同様、川越市も東京のベッドタウンでありつつも、近隣市を巻き込み、独自の文化を形成していると言える。

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