雑記

実家に住めない人

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先日、就職が決まり、満を持して一人暮らしを始めたのだが、

あまりにも急すぎて、驚きの声が一部で挙がっている。

 

表向きは自立を掲げているが、実際は家族と折り合いがつかないためである。

ロックバンドが音楽性の違いから解散するのと似ている。

僕が家族というロックバンドから脱退したのだ。

むしろ、脱退させられたに近いかもしれない。住宅事情という無言の圧力。

僕の身体がやっとのことで入っていた空間を他人の所有物が狙っている。

「そこは俺の場所だ」と問いかけてくる。

実家に「居候」していた。

就職活動をするために、実家の住所を借りていた。

そう表現すれば適切であろうか。

僕はこの家に住んではいけない。僕も家も了承済みだ。

辛い環境だ。けれども、決して悪いことだけではない。

一人暮らしへの適応力を身に付けた。仕事と家事を両立できた。

恵まれた家庭にいたら、今でも洗濯機の操作さえ知らないままであろう。

愛されないことも強さになる。

 

採用内定を握りしめ、やっと自由を手に入れた。

ただ、分かってほしいことがある。

実家に住めない、住みにくい、住んではいけない人がいることだ。

一人暮らしに向いていないかもしれない。

けれども、それしか選択肢がないのだ。

この現状を周囲にどのように話せばいいのだろうか。

親しい人にしか家族との不和を知られたくない。

悩みどころである。

 

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